2023.03.14
3月末から4月頭にかけて、シンガポールにお引越しされる方が増える時期です。初めてのシンガポール生活に際し、住居の違いで知っておくと良いこと3選を上げてみました。
海外生活で慣れないことに加え、住宅事情が日本と異なるので、インテリアに『自分らしさ』を取り入れることが難しいと思われる方も多いと思います。
さらには、シンガポールでは家具付きの部屋も多いため、自分の好きなインテリアにできない、、、そんな事情もあります。
でも!少しの工夫の仕方を知っているだけで、より心地よく、暮らしやすく、そしてなにより『自分らしく』暮らすインテリアにアレンジすることも可能です。そんな目線で、今日はシンガポールと日本の部屋の違い3選について、書いてみたいと思います。
シンガポールの部屋には….
シンガポールのコンドミニアム(コンド)の入り口は、日本と違い段差のある玄関は存在しません。
パターンとしては、住居に直結するプライベートリフト(エレベーター)がありその先に部屋に通じるドアがある場合と、共有のエレベーターから住居の入口ドアを開けるとすぐにリビングダイニングが続いている場合と2パターンあります。
プライベートリフトが付いている場合、エレベーターホールが存在するので部屋までにワンクッションあり、土足エリアと靴を脱ぐエリアの区別をつけやすいです。
入り口を開けるとすぐにリビングダイニングが広がっている場合、土足エリアはどこまでにするか、区別をつけづらいです。
プライベートリフトの例
色々なケースがありますが、靴箱が設置されていないケースも多々あります。家具屋さんで既製の靴箱を買うか、よくご提案するのは造作家具で靴箱をお作りするケースです。
というのも、既製品で素敵な靴箱がなかなか見つからないのです、、、。
日々の生活で毎日靴を出し入れし、脱ぎ履きする場所ですので、ストレスない場所にしたいですね。
シンガポールの靴箱事情については、こちらにも書いていますのでご参照ください。
日本はほとんどの場合床はフローリング、壁は躯体ではない場所は石膏ボードで画鋲が刺さる壁に壁紙が貼ってあります。
シンガポールの場合は、床は大理石かタイル、壁はコンクリートかドライウォール(プラスターウォール)で、画鋲が刺さらない壁にペンキが塗られています。
そのため、日本の家に比べて無機質になりがちで、カジュアルなインテリアよりもモダンなインテリアが合いやすいです。
シンガポールの場合、壁のペンキを塗り替えたり、張り紙を貼ったりして、最後退去する際に白いペンキの壁に原状回復することも比較的簡単です。また、賃貸のコンドであっても、床に複合フローリングを敷きつめることも可能です。
ペイント後After
ペイント前Before
賃貸のコンクリート壁にアートをつける際、釘を使わない方法についてはこちらにてご説明しています。
日本の場合、天井は石膏ボードがほとんどで、賃貸物件の場合照明はローゼット(天井についているコンセントのようなもの)につけるか、ダウンライトがあらかじめ埋められていることがほとんどです。そして、表面は壁紙ですね。
シンガポールの場合、天井は壁と同じでコンクリート直か、プラスター(フォルスシーリング)の場合が多く、コンクリートの場合は照明のワイヤーを通す穴が直に開いています。その様子について、ブログのこちらにて書いています。
コンセントのようなローゼットがついていないため、照明の付け替えには原則電気工を手配する必要があります。ただ、壁と同様、例えばフォルスシーリングに穴をあけてペンダントライトを新たに設置しても、退去時に穴を埋めて白いペンキを塗りなおせば原状回復できますので、割と低コストでアレンジしやすいです。
フォルスシーリングにペンダントライトを設置した事例
海外引越は、学生のころから含めて4か国経験している私ですが、心が落ち着き自分の家だと思えるのは船便が到着したころです。心が落ち着き、いかに『自分らしい』日々を自宅で送られるかがまずは海外生活の鍵かと思います。
冒頭に書きましたように、シンガポールは家具付きのお部屋も多く、家具がついていないお部屋に家具を購入しようとしても、日本のように親切にネットで家具の通販や情報が出回っているわけではありません。
インテリアデザイナーは、モノや空間をデザインするわけではなく、ライフスタイルをデザインするお手伝いをするお仕事です。
シンガポールという異国の地でも、より皆様が暮らしやすく、『自分らしく』生活を送れるよう、内在するご要望を引き出し空間に整えていくお手伝いをさせていただきます。
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