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マンダリンオリエンタルバンコクの素敵インテリアをハック – ラウンジ編

マンダリンオリエンタルバンコクのインテリアを分析しよう!ラウンジ編

マンダリンオリエンタルバンコク

マンダリンオリエンタルバンコクの開業は1876年、タイで一番古い歴史あるホテルです。実は世界30か国の国に旅したことがある私ですが、世界中どこを見てもこちらのホテルが一番素敵!好き!と思っていました。実際に泊るのは初めてでしたが、そのサービスはもとよりデザイン性の高さは期待以上でした。

前回は客室についてインテリア分析した記事を載せました。こちらよりどうぞ!

今回はロビー、レストランなどの共有部分の素晴らしいインテリアについて、お写真と共にご紹介できればなと思っています。

 

ロビーのインテリア

マンダリンオリエンタルバンコク

言わずと知れた、マンダリンオリエンタルバンコクの顔と言える素敵なロビー。2か月に1度ほど、エントランス中心の天井まであるフラワーアレンジメントが変わるので、バンコクに住んでいた頃はそれを楽しみにいつも訪れていました。

今回、インテリアデザイナー目線で再度よく観察してみると、、、学びばかりです!まず特記すべきなのは、ここでもファブリック使いの素晴らしさ。このロビーのテーマカラーになっている窓枠や天井からのオブジェに使われたダークブラウンのお色とよく合うソファのイエロー、質感、パターンを変えてクッションでリピートされています。後ろに広がるフラワーアレンジメントともリンクしており、この落ち着いたイエローがアクセントカラーと言えますね!

マンダリンオリエンタルバンコク

毎回天井まで届くフラワーアレンジメントは圧巻です。

1887年にバンコク発の西洋風ホテルとして建てられたこちらのホテル。その西洋の歴史と、タイのシルクや伝統工芸などの文化が現代的に融合されており、その巧みさは例えばロココ調の椅子に貼られたタイシルクの張地などから読み取ることができます。

上のお写真では見えづらいですが、ラウンジセットの横に置かれたサイドテーブルの脚のや、ラグに描かれた葉のデザインは、タイの寺院に見られるデザインを彷彿とさせます。

他国のマンダリンオリエンタルホテルに比べて特にこちらのロビーの雰囲気が特別であるのは、1970年代になって初めて本国のマンダリンオリエンタルグループに買収されたため、それまでの独特な建築やサービスがそのまま生かされているのでしょう。一時期ジム・トンプソンが客室のデザインに関わっていたこともあるようです。

 

アウトドアラウンジのインテリア

こちらはロビーから外のチャオプラヤ川へ向かう途中にあるシガーバー、The Bamboo Barの外にあるラウンジエリアです。

マンダリンオリエンタルバンコク

シックにブラックのラタン素材で作られたラウンジチェアに、トラ柄のファブリック。この組み合わせに心奪われます。シンガポールを含め、多くの高級ホテルではよりゴージャスな、派手なインテリアにまとめられがちですが、このようなエッジの効いたシックな色と柄の組み合わせは洗練されています。

のちほど、ジムトンプソンの家に訪れて気が付いたのですが、こちらのバンブーの椅子はジムトンプソンの家でも同じようなデザインで使われていました。下のお写真はジムトンプソンの家で展示されている椅子です。

ジムトンプソンの家

ジムトンプソンの家はまた別記事でご紹介したいのですが、こちらはタイシルクの有名ブランド、ジム・トンプソンの創設者であるジムトンプソン本人が住んでいた家を移築、保管しているミュージアムです。

ジムトンプソンは1959年に完成したこの家に住んだのち、マンダリンオリエンタルホテルにも住み、デザインの監修をしていたようです。そんな流れで、タイの伝統的なラタンの家具が、両施設で使われているのかもしれません。

 

オーサーズラウンジ

こちらは、マンダリンオリエンタルバンコクで観光客の利用も多い、アフタヌーンティーを提供しているオーサーズラウンジです。名前の通り、世界の名だたる文豪が宿泊していた歴史が刻まれています。ジョセフ・コンラッドやサマセット・モームなど、世界の文豪に愛され、かの三島由紀夫が『暁の寺』を書きあげたホテルとしても有名です。

マンダリンオリエンタルバンコク

こちらのオーサーズラウンジは、カラースキームの黄金比を使ったお手本とも言えるインテリアです。

白亜のメインカラーで統一された壁面、ラタンの家具たち、テーマカラーともいえるコロニアルな様式を演出するダークブラウンの木目、そして、アクセントカラーとして窓の装飾やクッション、さらにはオリジナルのTWGの缶にも(以前はフランスMariageのお紅茶だったのですが、、)アクセントカラーのミントグリーンが使われています。

マンダリンオリエンタルバンコク

この統一感と高級感と清潔感たるや、、、ため息物です。階段の上はスイートルームになっています。

1975年のバンコクが舞台になっている、辻仁成の小説「サヨナライツカ」の映画で使われた場所が、こちらのオーサーズラウンジ。当時のマンダリンオリエンタルバンコクの様子が映画の中でも描かれており、ぜひ訪れる前に見てみるとさらに深みが増すかと思います。

 

ジェフリー・ウィルクスによる2019年のリノベーション

先日ご紹介した客室を含め、インテリアデザインの監修をしたのがジェフリー・ウィルクス氏。マンダリンオリエンタルを始めとした、世界の名だたる高級ホテルや施設のインテリアデザインを手掛けている事務所を経営されています。

147年の歴史を持つマンダリンオリエンタルバンコクでは、最大規模のリノベーションだったそう。タイで最も古いホテルとしてその名を歴史に刻んできたホテルの、伝統と格式を保ちつつ新たなテクノロジーを組み込んでリノベーションをしていったようです。

マンダリンオリエンタルバンコク

各所をインテリアデザイナー目線でよく見ていると、新たな発見と驚きが随所にちりばめられていました。伝統を守りつつ、洗練された現代人の心にも響くインテリアは圧巻の一言です。

バンコクに行かれる際は、ぜひ足を踏み入れてみてください。

ホテルの詳細はこちらより

マンダリン オリエンタル バンコク
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