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ロンドンデザインウィーク|英国インテリアの美意識とシンガポールとの違い

ロンドンで開催されたインテリアイベント「ロンドンデザインウィーク」に、Sollys Designの海外メンバーが訪問。今回はロンドン在住ライターYUKIがレポートします。

本記事では、シンガポールのSollys Design代表・インテリアデザイナーの石井の視点を交えて、イギリスの最新インテリアトレンド、その背景にある美意識を紐解きます!

春の訪れを祝福するように、緑と花で装飾された「ロンドンデザインウィーク」の会場エントランス。

歩中に入ると、まさに「ロンドンらしさ」満載のプレゼンテーションが目に入ります。

「昨年訪れたミラノデザインウィークとも全然雰囲気が違う」と石井が語る、“英国式インテリア”を覗いてみましょう。

ロンドンデザインウィークとは?

ロンドンデザインウィークは、チェルシーハーバーにあるデザインセンターを拠点に、毎年3月中旬に開催される、インテリア業界向けのイベントです。

このデザインセンターには、世界トップクラスのブランドのショールームが常設されていますが、デザインウィーク期間中は、各ブランドによる新作発表や特別なインスタレーションが加わり、賑わう場所になっています。

また開催期間中には、各ブランドのデザイナーによる講演やトークセッションも多数行われており、来場者がデザインの背景や考え方に直接触れられる点も、このイベントの魅力の一つです。

特徴的と感じるのは、椅子やテーブルなどの家具や空間コーディネートの展示ももちろんありますが、壁紙・ファブリック・照明・装飾といった“空間を構成するディティール”が目に入ってくることです。

イギリスのインテリアの特徴:ディテールとマキシマリズムの文化

特徴① ディテールへのこだわり

ロンドンで印象的なのは、細部への徹底したこだわりです。壁紙の柄やファブリックの質感、カーテンのフリンジや縁取りなど、一見すると小さな要素の積み重ねによって、空間全体の完成度が高められています。ロンドンでは、空間の完成度は“全体”ではなく、ディテールの積み重ねによって決まる。

という考え方が根付いているようです。

▲Samuel & Sons(ニューヨーク発の装飾ブランド)には、たくさんの方が賑わい、フリンジを手に取っていた。クラシックなイギリスの空間にしっくり合い、遊び心をもたらせてくれるディティール。

背景:なぜディテールが重視されるのか

その背景には、19世紀の産業革命と、それに対する反動として生まれたアーツ・アンド・クラフツ運動が関係しているそうです。大量生産によって均一な製品が広がる中で、手仕事の価値や自然素材の美しさが見直されました。こうした思想のもと、「美しさは細部に宿る」という考え方が文化として根付いていきます。

またイギリスでは、住まいは単なる生活空間ではなく、教養や価値観を表現する場とされてきました。そのため、素材の選び方や装飾の意味、細部の仕上げといった一つひとつの要素が、空間の質を左右する重要なポイントとなっています。

上の写真のように、花柄や装飾的なパターンの中には、インドのブロックプリントや刺繍を思わせるものも多く見られ、イギリスのインテリアがさまざまな文化の影響を受けていることを実感しました。これは、大英帝国時代の貿易や植民地の歴史と深く関係しており、異なる文化の要素が取り入れられながら、現在の英国独自のスタイルが形づくられてきたと言えます。

特徴② マキシマリズム(重ねるデザイン)

調べてみると、このマキシマリズムの背景には、イギリス特有の歴史があることが分かりました。イギリスにはヴィクトリア様式やジョージアン様式といった装飾性の高い建築が多く残っており、インテリアはそれらと調和する形で発展してきました。

モールディングや暖炉、天井装飾といった建築的要素自体がすでに豊かな装飾を持つため、
空間全体もそれに合わせて重層的に構成されていきます。 

▲壁紙、照明、ソファ、ラグなど、柄を重ねるイギリスらしいマキマシリズムなショールーム

また、長い歴史の中で家具や装飾品を受け継ぎながら暮らす文化も、「新しく入れ替える」のではなく、「重ねていく」というスタイルを生み出したそうです。イギリスのインテリアは、建築と切っても切り離せない関係であることが分かります。

シンガポールとの違い:ラグジュアリーの捉え方

石井は「ロンドンとシンガポールの違いは、スタイルだけでなく、ラグジュアリーの定義そのものにある」と言います。

シンガポールでは、

  • 先進性
  • モダンなデザイン
  • 機能性やメンテナンス性

といった“上質な暮らしやすさ”が重視される傾向があります。

まだ建国からの歴史が比較的浅いこともあり、住宅そのものも世界的に見て新しいものが多いシンガポール。 また、世界中から富裕層が集まる国でもあるため、世界的に認知されたブランドや洗練されたデザインへの関心も高く、 普遍的な美しさや完成度の高さが評価されやすい点も特徴の一つです。

一方ロンドンでは、

  • 歴史
  • 文化
  • ストーリー

といった“住まう人の背景”がより色濃く空間の価値を決定づけると考えられそうです。

最近の英国インテリアトレンド:伝統の再解釈とクラフト回帰

近年の英国インテリアは、「伝統をどのように現代へ落とし込むか」という方向に進化しているそうです。中でも特に印象的なのが、クラフトや手仕事への回帰。デジタル技術やAIの発展により、均一で効率的なデザインが容易に生み出せるようになった一方で、その反動として、「人の手でつくられたもの」に価値を見出す流れが強まっています。

例えば、

  • ハンドペイントの壁紙
  • 手織りや刺繍によるファブリック
  • 不均一な質感をあえて残した素材
  • 職人による一点物の家具や装飾

といった、“完全ではない美しさ”が評価される傾向にあります。

▲イギリスではクラシックなランプを取り入れているご家庭が多い。英国照明ブランドのVaughanでは、伊万里焼とコラボレーションしたランプの展示も。

「時間や手間をかけて生まれる価値をいかに現代の空間に取り入れるかが、よりラグジュアリーな価値として捉えられている点は、ヨーロッパ(昨年のミラノデザインウィーク)でも感じられ、世界的にもトレンドになっている」と石井は振り返ります。

まとめ

ロンドンデザインウィークを通して感じたのは、 英国インテリアにおける「ディテール」と「ストーリー」の重要性でした。ロンドンでは、「なぜこれを選んだのか」が説明できること自体が、デザインの価値になり、それこそ、“自分らしさ”なのだと強く感じました。

次回は、Sollys Designの石井と4月開催のミラノデザインウィークも回ってきますので、またレポートをさせていただきます。お楽しみに!

◼️過去のミラノデザイインウィークの記事はこちら:ミラノデザインウィーク2025|私的トレンドまとめ

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