2025.01.28
シンガポールでご提案させていただく照明ブランドの一つとしてFLOSというイタリアのブランドがあります。インテリアファンの方は、もしかしてご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
1962年にイタリア・ミラノ(Merano)で設立した照明ブランド。カスティリオーニ兄弟が、スプレーで吹き付けて作る新素材COCOONを発表したことがきっかけだと言います。以来、世界の才能あるデザイナーと共にタッグを組みながら、クリエイティブな発想によって、シンプルで、かつ品のある照明を生み出し続けています。
FLOSと言えば、ICランプ。10年前の発表時日本でも大人気になりました。名だたるブランドやファンシーな空間には必ずと言っていいほど、ICランプが見受けられ、光を放っていました。
このICランプが斬新だったポイントは、真鍮(ゴールド)を使っていることです。当時、高級モダンブランドと言えば、クローム(シルバー)を使うことが多かったのです。このICランプのデザイナーは、マイケル・アナスタシアデス(Michael Anastassiades)。彼が、『真鍮を使いたい』とFLOSに伝えたとき『絶対売れないからクロームも作りましょう』と言ったとのこと。ふたを開けてみたら、売り上げの半分以上が真鍮だったという話があるようです。真鍮(ゴールド)を使うインテリアトレンドの火付け役と言っても過言ではないと思っています。
下記の写真は、 2023年のミラノデザインウィークにて、実際に撮影したマイケルのデザインの照明です。
解体してみると分かるのですが、非常にシンプルなパーツから設計されております。計算され尽したデザインと優しい光は、家にお一つお迎えするだけで、日常に癒しと余白をもたらしてくれるに違いありません。
上の写真のプロダクトは、マイケルが、コロナ禍で家から出られなかった際、自分のコントロールが効かない竹をつかってデザインをしてみたいと思ったという照明。当時の心の心境や、自然に対する敬意を表現しているというものでした。
マイケル・アナスタシアデス について詳しい情報はこちら(*外部リンク)
マイケルのようなプロダクトデザイナーは人生をかけてデザインをしています。人柄、人生、世界観、美意識、こだわりが全てつまっていることを、お会いしてさらに強く実感しました。冒頭で紹介させていただいた“ICランプ”は、皮肉にも『照明で世界一コピーされているデザインと言っても過言ではない』とマイケルは言っていました。コピー品では実現できないFLOSの質の高さ、綿密に計算された構造、マテリアルがあることは誰が見ても認識できます。
FLOSだけでなく、美しい家具やインテリア商品は全て何らかのデザイナーがプライドを持ってデザインしています。もちろんお値段はコピーと本物では明らかに違います。ですが、私も一人のインテリアデザイナーとして、クライアントにご提案をする際は、家具を創ったそのデザイナーの想いやストーリーに最大限の敬意を払いたいと思っていますし、コピー品はなるべくご提案しないようにしています。生活の中で、こだわりあるデザインと共に暮らすと味わいも一層深まりますよ。
日本でもFLOSを購入できる家具屋はありますが、シンガポールでもご手配が可能です。日本とは電圧が違うことや、ダイニングの照明においては天井の取り付け(電気工の手配)が必要なので、シンガポールで購入されると良いかと思います。デザインから取り付けまで一括でSolly Designで承っておりますので、クライアントにも喜んでいただいております。
下記3事例もダイニングにFLOSの照明を設置しました。シンプルながら、存在感がある照明は“らしさ”溢れる、唯一無二のデザイン空間になります。
2025年もミラノデザインウィークがミラノで開催されるため、行ってくる予定をしています!新しいデザインに触れるだけではなく、デザイナーやブランドのストーリーを知ることができる貴重な機会。また、レポートを書きますのでお待ちいただけると嬉しいです。
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